- - - - - - たまには甘めのやり取り。 そういえば去年も犬夜叉相手にエイプリルフールネタ書いてましたね。ということは再始動してとっくに1年が経ってたのか…あっという間だったなぁ。 2018.04.01:memoにて掲載。
back◆ 2018.04.01
「現代ではエイプリルフールっていうのがあるんだよ」
私がそう教えてあげれば犬夜叉は「えいぷり…なんだって?」と大きく顔を歪めて聞き返して来る。時代が時代だから仕方のないことだけど、横文字にはとことん弱いのが少し可愛く思えてくる。
「エイプリルフールはウソをついても許される日なの。それが今日」
「あ?おめーはいつもウソついてんだろ」
「ちょっとそれどういう意味」
とんでもない言われ様にじとっと睨みつけてやれば犬夜叉もまた同じ顔で返して来る。
「いっつも危ない目に遭ってんのに、大丈夫だ気にすんなって言うのはどこのどいつだよ」
厳しさを孕んだその一言に思わずぎく、と肩を跳ね上げる。それを見逃さなかった犬夜叉が「図星だろ」なんて言って来るけれど悔しいことに否定はできない。
私はみんなに心配をかけたくなくて、つい大丈夫と言い張ってしまう。でも結局それはみんなに見抜かれて。
ウソをついたって仕方がないんだって分かってはいるんだけど、でも、どうしても素直に言うことができない。
それを思いながらつい視線を泳がせてしまえば、犬夜叉は呆れたようにため息をついてぶっきら棒に言い放った。
「おれはもう守ってられねーからな。自分の身は自分で守れよ」
「えっ」
唐突に投げられた言葉にドキ…と胸の奥が冷える。確かに私は散々迷惑をかけて来たけど、いざそう言い切られてしまうとすごく寂しくて苦しくて。ああ私はなんて都合のいい女なんだ、とさえ思えてくる。
でも、そうだよね。犬夜叉の言う通り、これからは自分でしっかりしないと……
「いだっ!?」
突然おでこにびしっと強い痛みを与えられて慌てて顔を上げる。するとデコピンをしただろう手を向けて来る犬夜叉が、ものっすごい仏頂面を浮かべて私を睨みつけていた。
「なーに真に受けてんだ。ウソに決まってんだろ」
「は…?う、ウソ?」
「おめーがウソついてもいい日だって言ったんじゃねえか」
せっかく乗ってやったのに、調子狂うぜ。なんて小さくぼやく犬夜叉にぽかんとしてしまう。だって、だってそんなの、すっっっごく分かりづらいじゃん。本気だと思った…。
「じゃあ、これからも…守ってくれるの?」
「けっ。当たり前だろ」
吐き捨てるように言っては不躾に顔を逸らしてしまう犬夜叉。でもよく見れば耳がかすかにぴこぴこ動いていて落ち着かない様子を表している。それに…少しだけ見える頬がほんのり赤い。
私はそれにくすっと笑みをこぼしてしまうとお礼代わりに犬夜叉の肩に頭を乗せて穏やかに寄り添っていた。