- - - - - - 大体こんな感じになっております。 扱いはりんちゃんと邪見を足して2で割った感じ。無駄にじゃれあって欲しい。 2017.08.20:memoにて掲載。
back◆ 2017.08.20
「殺生丸さま」
いつもの休息の最中、ふと呼びかけてみれば殺生丸さまが振り返ってくれる。
言葉こそ発しないが、彼はその金の瞳でハッキリと“なんだ”と問いかけて来ていた。
別に用なんてない。ただ呼びたかっただけだから。
なんでもありません、と返せば殺生丸さまは呆れたように顔を背けてしまう。
けれど懲りない私はほんの気休め程度の時間を空けてもう一度呼びかけた。
「殺生丸さま」
「…なんだ」
今度は声に出して問われる。
振り返ってもらえるのが嬉しくて思わずにやけてしまうけど必死に隠して。やっぱり用なんてないから、なんでもないですと答えていた。
「…………」
…やばい。怒らせたか。
ほんのわずかに眉をひそめた殺生丸さまの鋭い瞳が向けられて、思わずビクッと肩を揺らした。なんて冷ややかな目。痛い。そんな目で見つめられていたら穴が開いてしまう。
けれどここで諦める私ではない。小さく気を引き締めては殺生丸さまの顔を覗き込むように体を傾けた。
「殺生丸さまー」
「しつこい」
「ぶっ!」
ガッ!という衝撃と同時に視界が真っ暗になる。どうやら殺生丸さまの大きな手が私の頭を思いっ切り掴み込んでいるらしい。素直に痛い!!
「ごっごめんなさい!もうしませんから!!その、痛っ!は、離してくださ…い゙っ!!」
「…ふん」
殺生丸さまは小さく鼻を鳴らすと同時に私の頭を放るように離してくれた。危なかった…もう少しで頭蓋骨陥没するところだったよ…。
ジンジンと熱を持つこめかみをさすっていれば、私に背を向けてしまった殺生丸さまに名前を呼ばれた。
私はその声に顔を振り向けて涙すら浮かんだ目で殺生丸さまを見る。
「な…なんですか?」
「呼んだだけだ」
殺生丸さまはそう答えると同時にフ…と小さく笑みをこぼした。ぐぬぬ…仕返しされてしまった…さっき物理的にしてきたくせに。
むっとして私ももう一度名前を呼んでやろうとしたけれど、今しがた陥没させられかけた頭蓋骨がとてつもなく警鐘を鳴らしてきたので大人しく諦めることにした。
……さて。
私たちが自然と名前を呼び返し合えるようになる日は、いつになったら来てくれるのかな。